2017年8月30日水曜日

[銘柄分析](8167)リテールパートナーズ(東2)




皆さんおはようございます。河童です。
今回は私が今月購入したリテールパートナーズを見てみたいと思います。



この銘柄を知ったのは、いつも参考にさせていただいている優待バリュー株投資で有名なみきまるさんが自身のブログで紹介なされたのがきっかけです。自分で調べてみても、良い銘柄だと思って購入に踏み切りました。このリテールパートナーズはPERが低く算出されていてわかりにくい状態になっているのがみそですね。


[事業概要]

リテールパートナーズは、九州地方および西中国地方に展開している中堅の食品スーパーの連合体です。2015年7月に山口の丸久が大分のマルミヤストアを吸収合併してリテールパートナーズとなり、2017年3月に福岡のマルキョウがここに加わったという形になっています。それぞれ根を張っている地域が隣接していることで、合併によってシナジー効果を狙った動きですね。

[成長ストーリー]


(出典:有価証券報告書より作成)



(出典:有価証券報告書より作成)

この会社の成長戦略はM&A型になります。売上と利益のグラフを見てみましょう。

売上ですが2009年から2015年まで安定して微増してきましたが、2016年と2017年で急激に増加しています。この理由は、2016年度においては丸久とマルミヤストアの合併が行われ、2017年には大分県のスーパーをマルミヤストアが分割吸収しているためです。

次に純利益ですが、2016年度は特別利益が28.9億千円、減損損失11.2億円が計上されています。これは純利益が42.9億円なので、実質は25.1億円の利益で微増というところですね。

よって、特別な要因を除けば、合併をしつつ安定して成長している姿を見ることができます。

また、今年はマルキョウとの合併があったため、「負ののれん」が計上される予定です。「負ののれん」とは、会社の事業価値よりも安く取得した際に計上される利益です。例えば、負債がなく資産として100万円の現金を持っている会社を60万円で買収した場合、その差額40万円を利益に計上できます。これが「負ののれん」です。今回その金額はなんと166 億 13 百万円です。純利益が25億円程度なのでその6倍以上の「負ののれん」が計上されました。

これは、マルキョウの株主の視点から見ると悪夢のようなものですね。気がついたら166億円も買いたたかれてしまったわけです。一方で、リテールパートナーズの株主にとっては嬉しい話です。

以上のように、この会社は地域的にシナジーが見込めるエリアのスーパー同士が合併をし、成長する戦略をとっています。今期はマルキョウの純利益がプラスされると考えると、特別収益を除いても40億円と従来の1.5倍程度になる見込みです。


[事業環境]

今後の成長
まず、M&Aの質ですがこれまでのところ問題がないと思います。負ののれん益が発生する形での合併を行っており、吸収される側の株主にとっては不幸ですが、リテールパートナーズの株主にとっては十二分に価値のある合併を行っています。また、別の事業領域に手を出さず同じ食品スーパー同士なので、石油屋がコーヒーショップを買収したり、食肉業者が病院を買収するような恐ろしい事象は発生しないでしょう。今後も周辺の中堅スーパーとの合併を模索していってくれそうです。また、シナジー効果も、中期的には利益率の向上として期待できると思います。

ただし、注意しなければならないのはこの会社が合併したてであり、色々な内部的なしがらみがありそうな点です。船頭多くして船山に登るということもありますし、上手く相乗効果を狙えればいいのですが。。。

②不況耐性
スーパーということもあり、売上は安定しています。この点は心配しなくてはいいでしょう。

③競争環境
食品スーパーの競争環境は非常に厳しいものとなっています。そうした中で地域スーパーは①地域水平的な合併を行って規模のメリットを享受すること、②ドミナント戦略で地域におけるブランド価値を上げること、この二点を通じて大手スーパーやコンビニ、ドラッグストアに対抗しようとしています。それほどこの業界の競争は激しいのです。そのため、成長し続けなければ今後淘汰されていく運命にあるでしょう。店舗の退店や内部の改装といった継続的な投資も必要なので、規模が大きくないと生き残るのは難しいでしょうしね。


[結論]

現在の予想PERは2.8倍となっています。しかし、これは負ののれんを含めた金額なので、負ののれんを除外してみます。すると、株価が1200円のとき予想PERは12倍前後になります。これは食品スーパーとしてはかなりの割安です。

また、合併後は売上高も2000億円を超過する予定です。この規模のスーパーで東証2部にいること自体がおかしいため、東証1部への昇格も期待できそうです。

以上をまとめますと、次のようになります。

良いポイント
・株価は割安
・東証1部の昇格期待
・不況時の安定性
・成長のためM&Aに積極的

悪いポイント
・リーダーシップ型ではなく水平的な合併なので経営の効率化がどこまで進むのかが不安
・競争環境が激しい

短期的には株価のズレの解消、東証一部への昇格という点で投資をしても問題ない銘柄に思えます。中期的な見通しはまだ立ちませんが、時間がたてばシナジー効果が出てくるかもしれませんね。あとは、ランダムウオークが良い方向に進んでくれるのを祈るのみです。


[雑記]

靴磨きの少年が株の話をし始めたら相場の終わりであるといわれてますが、河童が株の話をし始めたらどうなんでしょうね?やっぱり相場の終わりなのでしょうか。それとも相場の始まりなのでしょうか。


※当ブログに掲載されている内容は、個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。当ブログの記事に基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はご自身の判断と責任で行って頂きますよう、お願い申し上げます。

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