2017年8月10日木曜日

[決算分析][4792]山田コンサルティンググループ [JQス] 平成30年3月期 第1四半期決算(評価3.0)

[4792]山田コンサルティンググループの第1四半期の決算がでました。
今回の決算の評価は可もなく不可もなく3.0(5段階評価)です。

売上高は今期予想の通りに進捗しています。経常利益自体は前年度と比較をして二倍近く増えていますが、これは前期がアメリカ国債(米国財務省証券)の為替差損を計上していてたためで、予想と比べるとやや下回っています。

利益としては気持ち物足りませんが、この会社は過去のデータを見ても、四半期ごとの利益が案件の成立状況によって、安定していません。そのため、四半期ごとの判断ではなく年単位で見たほうが成長が分かると思われます。

【会社概要】
この会社は経営コンサル、不動産コンサル、FP関連事業、投資・ファンド事業の4つを柱としています。この会社の事業コアは、経営コンサルです。2016年度の売上比率を見手見ますと84.7%がこの経営コンサル事業が占めています。


経営コンサル事業は、事業継承に対して強みを持っているといわれています。中小企業では、少子高齢化もあり後継者が不足して、経営者の引退にともなって会社が継続できなくなるケースが多くなってきています。そうしたケースに対して、資産の承継、会社の売却、第三者の経営者を招聘するなどを行う専門的なコンサルティングを行っています。また、国内外のM&Aのコンサルを行い、順調に業績を伸ばしています。

事象承継については、中小企業庁が出している下記資料が分かりやすいです。
http://www.meti.go.jp/committee/chuki/kihon_mondai/pdf/008_03_00.pdf

この資料で確認すべき点は、
1、山田コンサルティングが注力している中小企業のM&Aニーズは増加傾向
2、顧問税理士・公認会計士が後継者問題にとって主要な相談先

山田コンサルティングは、税理士法人、監査法人と提携してビジネスを行っています。
その点が大手コンサルティング会社が強い大規模M&A市場ではなく、中堅・中小企業のM&A市場で強みを発揮している理由といえます。

【指標】(8/10時点)
株価(円)    :6,670
今期予想PER(倍):17.93
PBR(倍)    :3.3
ROE(%)    :16.49
自己資本比率(%):81.8 (磐石)
配当利回り(%) :2.25

【売上(百万)】
1Q:2,939(11.5%)
2Q:
3Q:
4Q:

【経常利益(百万)】
1Q:614(56.7%)
2Q:
3Q:
4Q:

【決算概要】
悪い決算ではないと思うのですが、株価がやや下落しています。

成長という観点で見ると、主力である経営コンサルティング事業においては、売上が20.0%増、利益は31.8%増と順調に伸びています。ただ、四半期ではブレが大きいため、翌四半期はどうなるかは分かりません。来年の決算までは、不況が来ない限りは一進一退が続きそうに思えますね。

【雑記】
  この会社で気になっているのは、創業者である山田淳一郎会長の後継者です。一代で上場企業を創りあげたその手腕は見事としかいえません。しかし、山田会長は、1947年生まれで今年70歳になります。他社のバトンタッチだけでなく、完全にご引退なさるときまでに、自社のバトンタッチも無事に乗り切って欲しいと思います。


※当ブログに掲載されている内容は、個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。当ブログの記事に基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はご自身の判断と責任で行って頂きますよう、お願い申し上げます。

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