2017年8月20日日曜日

[銘柄分析](8399)琉球銀行(東1)(沖縄銘柄)



沖縄銘柄分析も早くも折り返しです。第三弾は沖縄県トップの地方銀行である琉球銀行です。この銀行も、戦後に作られた銀行になります。

沖縄では近代的銀行業の整備が遅れていたため、「もあい」の風習が現在も残っています。「もあい」とはイースター島にある石像ではなく、皆でお金を出し合ってプールしておき必要なときに取り崩す風習のことです。今は飲み会ようの資金となっているケースも多いそうですね。私の妻ももあいに毎月お金を出しています。それはさておき、琉球銀行についてみていきましょう。



[事業概要]
沖縄県に展開する地方銀行です。アメリカ軍統治下の沖縄で、中央銀行の役割を担うため設立されたのが琉球銀行です。沖縄返還に伴い中央銀行の役割を廃止し、通常の株式会社として再スタートを切っています。もともと官銀行であるため、沖縄県の地方自治体で指定金融機関に多く選ばれています。

東京支店がある以外は、沖縄を中心に事業を行っています。IRを見ているとリテールも力を入れていますが、企業向けの融資への意識が強そうです。


[成長ストーリー]



(出典:有価証券報告書)単位:百万円

(出典:有価証券報告書)単位:百万円
2000年以前は不良債権問題で大幅な赤字に陥っています。その後はリーマンショックで損失計上による若干利益の落ち込みは見られますが、今日まで黒字を確保しているという磐石な経営ですね。2014年度に売上高が増加しているのは、琉球リースの連結子会社化、翌年はOCSの子会社化にともなうものです。

M&A型の拡大戦略をとっています。どちらも沖縄県を中心にサービスをしているため、沖縄県の総合的な金融会社をめざしている動きが見えます。銀行業そのものについては、横ばいが続いていますね。

【事業環境】
今後の成長については、やはり沖縄という地域の枠が成長の邪魔をしているようです。JTのように海外のM&Aを繰り返すのとは異なり、沖縄という箱の中の大魚であるため、今後事業規模が二倍、三倍になるとは中々考えにくいですね。

次に不景気に対する強さですが、銀行業なのにリーマンショックを黒字で乗り切っており、沖縄県の経済的な独立性の強さがあります。

最後に競争環境についてですが、ここは沖縄銀行と同じで寡占的な状況が今後も続いていくと思われます。

【結論】
今期の予PER10.4なので、株価としては適正ぐらいな印象ですね。リーマンショックで例に漏れず株価は暴落しましたが、経営指標としてはそこまで悪化していません。ここは、景気循環銘柄として、不況時に購入するのはありかと思いますが、バリュー株やグロース株として投資をする対象ではななさそうです。

【雑記】
ホームページを見ると琉球銀行の代表の服装がスーツでビシッと決まっていますね。一方沖縄銀行ではみんなかりゆしウェアを着ています。こうしたところも企業のカラーが出ていて面白いですね。

それにしても沖縄の企業で全国区に展開している上場企業がまだありません。沖縄のいいところでもあり、悪いところでもあるうちなんちゅの沖縄ラブが出ているように感じてしまいます。


※当ブログに掲載されている内容は、個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。当ブログの記事に基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はご自身の判断と責任で行って頂きますよう、お願い申し上げます。

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