2017年9月10日日曜日

[書評] 株式投資の未来 ジェレミー・シーゲル著

皆様。こんにちは河童 喇叭です。

今週は、ハリケーンと北朝鮮ミサイル問題、ヨーロッパ中央銀行の発表で株式市場が震えましたね。私は出張に飛行機で出かけたので、ミサイルが飛行機にぶつかったらどうしようかと不安でした。もちろん頭ではそんな確率は非常に非常に少ないとは分かっていますが、こうした不安が株式市場を動かしているのだなとしみじみ感じましたね。

さて、今回は有名な投資本『株式投資の未来』(ジェレミー・シーゲル著 瑞穂のりこ訳 日経BP社)を読了したので、そのレビューを書きたいと思います。久しぶりに感動した本です。





1.学習したこと


書きたいことは山のようにありますが、個人的になるほどと思ったのは下記になります。

・急成長する新興企業やセクター、中国といった国の企業など抗いがたい魅力的な株式がある。しかし、これらの企業に対して投資をして、期待したリターンを得ることはできないことが多い。

なぜならば、株主のリターンは下記のように決まるからである。
株主のリターン = 企業の実際の増益率 - 市場が期待する増益率

・株式のリターンの格差は、配当金再投資によって拡大されていく。

・配当が株式のリターン生成を大きく作用してきた。配当は下落相場の安全装置、上層相場の加速装置となる。配当の変動が激しい銘柄ではなく、安定的に増配をする銘柄を選考しなくてはならない(自社株買いも配当よりも税の繰り延べという点で配当よりも効果があるが、経営陣が約束を守らないことが多い)。

・キャッシュを生む投資とは、配当金再投資でもREITでもいい。長期的に生き残る投資商品が生み出すキャッシュを再投資にまわすことである。また、ドルコスト平均法でも同じ機能が働く。


2.感想


ただ単に連続増配銘柄に投資をし続けることを説明しているのかと思ったら、もっと幅広い株式投資のテーマについて扱っている素晴らしい本でした。株式投資の基本である「素晴らしい株を、そこそこの値段で買う」ということをきちんとエビデンスで表しています。大きく要点をまとめると次の2点になります。

①配当金再投資が大事であること
②株式の価値が実際の価値よりも割高でないときに購入すること

また、そうした長期的に生き残る銘柄をどのように選考すれば良いのかについてもまとめられており、投資という不確実性の海の中でとるべき進路を導いてくれる一冊です。この本を3000円もせずに購入することができるのは非常にお得です。未読の人は是非とも読んでみてください。

この本でおすすめしている投資法に従って銘柄をチェックし、自分の株式投資に対して少しずつ反映をさせて行きたいと感じますね。また、投資は木を育てるようにのんびりと長く、不況のときが資産が増やすための種を蒔く時期ということがエビデンスで分かり、普通の投資哲学本よりもよっぽど安心できる名著です。

最後にこの本のエッセンスを凝縮した引用をして終わりにしたいと思います。
”長期投資で成功を収めるのは、少しもむずかしいことではない。成長の罠を避け、時に裏打ちされた価値にしがみつけばいい”
(P.293『株式投資の未来』 ジェレミー・シーゲル著 瑞穂のりこ訳 日経BP社)
では。


※当ブログに掲載されている内容は、個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。当ブログの記事に基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はご自身の判断と責任で行って頂きますよう、お願い申し上げます。

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