2018年6月13日水曜日

ソーシャルレンディングは投資対象としてなりうるのか?

最近、より高いリターンを求めてソーシャルレンディングに投資する人が
増えていますね。私も1年ほど前から投資をしています。

景気が良くなって市場からあふれたマネーが、流入しているようで、
maneo、クラウドクレジットといった事業者も増え、市場も拡大しています。

ところで、この新しい投資先であるソーシャルレンディングは、
果たして時の試練に耐えうることのできる投資となるのでしょうか?

もし、あなたがこれからソーシャルレンディングを始めている人、
何となく惰性的に始めている人は、ちょっと立ち止まって考えてもらいたいと思います。


ソーシャルレンディングのメリット


ソーシャルレンディングのメリットは、下記二点です。
①安定したパフォーマンス
②予備知識が不要で手軽

①安定したパフォーマンス
 投資をする人は、最終的に投資がうまくいけば当初想定した利回りが得られます。
株といった金融商品とは異なり、売るタイミング、買うタイミングといった技術もなく、
初心者でも長期間投資をしている人も投資金額によって安定した収益となります。

②予備知識が不要
 株式投資のように始める前にPER、PBRといった専門用語、ファンダメンタル分析や成長株、バリュー株などの基本知識がなくても、案件を見て投資をすることができます。

これらを考えると、簡単に投資をすることができそうです。
しかし、河童としてはソーシャルレンディングには根本的な問題があるように思えます。


ソーシャルレンディングの根本的問題


ソーシャルレンディングの問題、それは、リスクを自分で測ることが難しいことです。
投資におけるリターンとリスクは、通常下記のように比例しています。

リターン・リスク(小)
・銀行預金
・国債

リターン・リスク(中)
・投資信託
・株式投資
・不動産

リターン・リスク(大)
・インキュベーション投資

では、ソーシャルレンディングはどのような位置づけになるのでしょうか?
利回りが4%~10%程と考えると、リターンは中程度でしょう。
一方で、リスクはいくらほどでしょうか?

不動産を担保にしている場合は、価値は保守的に見積もられているのでしょうか?
海外への投資で、現地の景気が悪化したら元本毀損になるような高利回り商品に
なっている可能性はないのでしょうか?

これらの質問に簡単に答えられる人はいないと思います。
つまり、ソーシャルレンディングでは、中ぐらいのリターンに対してどれほどのリスクを本人が負っているのかが見えないのです。もしかしたら、知らないうちに大きなリスクのある案件に投資をしている可能性があります。

投資ではリターンとリスクの天秤のバランスが利益をもたらすものです。
ソーシャルレンディングでは、リスクがどれほどのものかがわからないというのは、投資対象としては大きな欠点といえます。

現在までは問題なく運営されているようですが、今の好景気が崩れ、リスクが顕在化したとき、どれほど大きなダメージを受けるか不明であるというのは極めて危険だという点を意識しておくべきでしょう。

ソーシャルレンディングへ投資をするならば


少なくとも貯金替わりや、投資信託を購入するつもりで購入するのはお勧めできません。
ソーシャルレンディングは、リターンが中に対して、リスクは中以上です。

今後ソーシャルレンディングに投資資金が集まってくるにつれ、案件が不足します。
すると、リターンの低下とそれを補うために高いリスクの案件が増えていくでしょう。
こうした高リスク案件は、景気が悪化したときに極めて脆弱です。

しかし、投資家はリスクが見えないために表面の利回りを見て、
盲目的に中リターン高リスクの案件に投資を続けてしまうことになるわけです。

好景気が続くことに掛け、失敗したら大きく元本を毀損することを覚悟のうえでのミドルリターンを追及するチキンレース的な投資といえます。
これでも、パチンコや宝くじよりは、多少ましでしょう。

ソーシャルレンディングが不景気を乗り越えて発展していけば、
こうした問題は克服されるかもしれませんけどね。
ただ、それは将来の話です。


※当ブログに掲載されている内容は、個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。当ブログの記事に基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はご自身の判断と責任で行って頂きますよう、お願い申し上げます。

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