2017年12月3日日曜日

[銘柄分析](2915)ケンコーマヨネーズ(東1)

マヨネーズのイラスト

河童です。

前々から分析する詐欺を繰り返していたケンコーマヨネーズについて調べていきたいと思います。
この会社の製品は、普段生活の中で目にすることはないでしょう。しかし、コンビニエンスストアやスーパー等で使用されているため、一度は知らずと一口にしたことがあると思います。




[事業概要]


ケンコーマヨネーズは給食、スーパー、コンビニ、外食といった業務用の調味料、惣菜を作っている会社です。事業には大きく分けて4つのセクターがあります。1、セクターサラダ・惣菜類、2、マヨネーズ・ドレッシング類、3、タマゴ加工品、および、4、惣菜関連の連結子会社です。

知名度は低いですが、それは消費者向けの商品でないためです。業務用マヨネーズではキューピーに次いでシェアが2位の座にあります。また、ロングライフサラダ(コンビニのサンドイッチに挟まっているサラダや惣菜売り場にある数日の保存が可能なサラダ)においては、業界1位です。


[成長ストーリー]


(出典:ケンコーマヨネーズの財務諸表より作成)

売上高は2011年を底として、毎年5~10%程度の成長を続けています。利益も上下に変動がありますが長期的に見ると上昇していることがうかがえます。利益の上下動は、穀物価格といった原料費の変動、不況による外食離れが主な理由です。ただし、その状態でもしっかりと黒字は確保しており、業績の底堅さが見られます。

成長ストーリーについては、中々説明がつきにくく困ってしまいますね。しかし、セグメント別にみていくと、そのエンジンが見えてきます。初めに、タマゴ加工品、13年には120億円程度だった売上が2017年では200億円まで伸長しています。次にサラダ・惣菜事業では、245億円から310億円に伸びています。マヨネーズ、ドレッシング類は横ばいが続いています。

ブームというよりも、生野菜を食べる食生活の変化、設備投資による生産の拡大、コスト削減といった地道な取り組みが功をそうしている印象です。

成長戦略としては、第三者割当増資の目的でもあった設備投資による生産の拡大です。
今伸びているサラダ・惣菜、タマゴ加工品の4つの新工場を建設しています。2019年3月ごろまでに完成予定であるため、100億円の売上高に貢献する見込みとのことです。2020年には売上高は800億円に達しそうです。

もっとも利益については、固定経費の重りがついています。第二四半期では、原料価格の高騰よりも、固定経費の影響が大きいです。決算内容で触れられていないため、固定資産の増加によるものと個人的には推定しています。


[事業環境]



今後の成長

5年ほどのスパンで考えると、売上高については従来と同じトレンドで増加していくと考えられます。食生活の変化も漸次進んでいくと考えられ、大きくトレンドが崩れることはないと思います。


②不況耐性

外食の減少などでやや影響があると見込めます。リーマンショックの時にも利益を出せ、かつ自己資本比率も50%を超えている体質であるため、問題ないでしょう。


③競争環境

先行者の利益がある分野ですね。大規模設備投資による利益の低減、また、簡単に食材のメーカーは切り替えにくく、市場としても寡占的です。ケンコーマヨネーズのROEも高く、熾烈な競争といえるほどではなさそうです。


【結論】


食生活の変化に伴って、ゆっくりと規模を拡大して成長している企業である。今後も継続的な設備投資を行ってうまく成長をしていくと思われる。ただし、原材料の価格変動、不況による外食需要の低下といった一過性の要因で利益は減少する可能性があることに留意する必要がある。一過性以外の要因の減収に対して、注意し売上高の推移を見守る必要がある。

PER19.6は、やや高いがフェアバリューの範囲内と思われる。新工場が稼働し始める2019年ごろまでは利益の低迷が続きそうだが、この見通しが続くのであれば、持ち続けていて損はない見込み。

では。



※当ブログに掲載されている内容は、個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。当ブログの記事に基づいて投資を行い損失が発生した場合にも当方は一切の責任を負いません。投資はご自身の判断と責任で行って頂きますよう、お願い申し上げます。

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